:::

Rti 台湾国際放送Rti 台湾国際放送ようこそT-roomへ - 2021-10-20_過去一ヶ月の世論調査から台湾の民意を見る

  • 20 October, 2021

 蔡英文・総統は10月10日、中華民国の双十国慶節で演説を行い、「永遠に自由・民主の憲法政治体制を堅持する」、「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属しないことを堅持する」、「主権が侵犯、併合を許さないことを堅持する」、「中華民国台湾の前途は、全台湾人民の意思に従うことを堅持する」という、いわゆる「四つの堅持」を発表しました。

 中国大陸によって、様々な形で圧力が強まる中、主権を守り、国際社会へのさらなる参与を推し進めながら、同時に台湾海峡の平和を維持していかなければなりません。そうした重責を担う蔡英文・総統、そして蔡英文政権について、台湾の人たちはどのように見ているのでしょうか。

 本日のこのコーナーでは、この一ヶ月以内に行われた様々な世論調査をもとに、台湾の人々の声をご紹介していきたいと思います。

 まずは、台湾民意基金会が9月29日に明らかにした調査結果です。1つ目は、台湾海峡海峡の危機に対する、蔡・政権の処理能力についてです。両岸危機に関する話題では、昨年の年初から、中共の人民解放軍の軍用機が中華民国台湾の防空識別圏に頻繁に侵入しているほか、中国大陸は3月にまずパイナップル、そして9月下旬からはワックスアップル、釈迦頭と、いずれも台湾にとっては輸出先の大半が中国大陸であった果物について、輸入を一方的に禁止しました。

 こうした中、蔡政権の両岸危機に対する処理能力について、「非常に信頼している」と答えた人は17%、「まあまあ信頼している」と答えた人は28.4%でした。一方、「あまり信頼していない」という人は22.4%、「全く信頼していない」という人は22.6%でした。9.6%の人は「意見なし」ということでしたが、全体的では、危機処理能力について信頼している人が45%、そうでない人は45%と、半々に分かれる形となりました。

 エリア別にみていきますと、6つの直轄市の中では、中部の台中市、南部の台南市、高雄市に比べると、北部の台北市、新北市、桃園市の人は、処理能力に対する信頼感は低くなっていました。なお、その他の16の県及び市では、信頼している人の割合は、そうでない人を3ポイントほど 上回りました。

 年齢別では、20歳から24歳及び65歳以上の人々は、処理能力について信頼していると答えた人は半数を越えた一方、25歳から64歳の人々では、処理能力について信頼していないと答えた人が、半数を越えました。

 台湾民意基金会の游盈隆(ゆう・えいりゅう)董事長は、「非常にショッキングな数字だ。蔡政権は軽く見るべきではない」と強調しました。

 一方、中国大陸が今年、相次いで台湾産の果物を輸入禁止とした点については、66%の人が、中国大陸の決定は妥当とはいえないと答え、妥当と答えた人は14%にとどまりました。

 台湾は政治熱が高く、与党・民進党の支持者と、その他の政党、特に最大野党、国民党の支持者では、様々な政策に対する考え方が大きく異なることも珍しくありません。その為、主に国民党の支持者が、現政権の両岸政策を評価しない可能性は高いと考えられますが、2つの調査の結果が大きく異なったことからは、中国大陸に対して不満をもちつつも、蔡政権の危機処理能力について十分に満足はしていない人も一定数いることがうかがえます。

 続いては、台湾民意基金会が6日に発表した別の調査結果、与党・民進党に対する「感情温度」についてです。これは、与党・民進党に対する評価を、「感情温度」という指標によって表したもので、0度から100度までの温度で、政党に対する好感、反感を表し、0度は最も強烈な反感、100度は最も強烈な好感となり、50度は好感も反感もない状況を表します。

 調査では人々に対し、「与党、民進党に対する感覚を、0度から100度の数字で表してください」と問いかけました。

 結果、76度から100度とした人は20%、51度から75度とした人が24.4%で、合計44.4%の人が、好感を示す51度以上でした。そして24.8%が50度、26.8%が反感を示す49度以下で、この中には、0点から24点の人、14.3%を含んでいます。平均温度は53.19度でしたが、半数を越える51.9%の人は、50度以下でした。

 年齢別では、年齢が高いほど温度は高く、エスニックグループ別では、主に福建省南部をルーツとするホーロー系、広東省をルーツとする台湾第2のエスニックグループ客家の人達は51度を上回りましたが、外省人と呼ばれる、戦後、中国大陸から国民政府と共に台湾にやってきた人々やその子孫では、平均32度にとどまりました。

 6つの直轄市では、南部の台南市が最も温度が高く、高雄、台中、新北、桃園、台北という順と、北部南部での違いが顕著でした。

 支持政党別では、予想通り、民進党支持者の温度が高かった一方、国民党支持者は32.27度、第2の野党、民衆党の支持者も36.5度にとどまりました。

 台湾民意基金会の游・董事長はこの結果について、40度台だった2018年3月や11月に比べると、大きく上回っているものの、昨年同時期の56.38度に比べると下がっていると指摘、人口ベースで考えればおよそ100万人の好感度が低下したと説明しています。

 台湾民意基金会の2つの調査は、民進党に対してやや厳しい結果となりましたが、両岸問題やイデオロギーの面の考えは民進党に近い、野党・時代力量の最新の世論調査では、蔡英文・総統に対する満足度、「非常に満足」、「まあ満足」を足した割合は56%に達しました。

 また、双十国慶節後に、民進党が行った調査では、蔡英文・総統の演説の中の「四つの堅持」のひとつ、「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属しないことを堅持する」については84%の国民が支持したほか、台湾の前途は台湾の人々が決めるか、それとも中国大陸の人々が決めるかという問いについては、「台湾の人々が決める」と答えた人が95%を超えたという事です。

 こうして色々な調査をみていきますと、台湾には様々な考え方の人がいることがうかがえます。難しい舵取りではあるでしょうが、蔡英文・総統にはうまくバランスをとって、この荒海を乗り越えていってもらいたい、と思います。

Program Host

関連のメッセージ